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第30回(H29) 介護福祉士国家試験 解説【問題91~95】

 

問題91 自閉症(autism)の特性に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 対人関係の形成に障害がある。
2 読む,書く,計算することが苦手である。
3 知的機能の発達に遅れがみられる。
4 集中力がない。
5 思考の流れに関連性や統一性がない。

解答1

解説

 自閉症は、「3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ②言葉の発達の遅れ③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される」と定義されている。
1.〇 正しい。対人関係の形成に障害がある。具体的な特徴として相手と目を合わせられない、相手の気持ちを推測できない、その場の空気が読めないなどが現れる。
2.× 読む、書く、計算することが苦手なのは学習障害(LD)である。全般的に知的発達に遅れはみられず、学習の習得に因難さがみられる発達障害の一種である。
3.× 知的機能は、知能検査によって測られ、知能指数(IQ)70 以下になると、知的機能に遅れがみられると判断される。また、適応機能という日常生活能力、社会生活能力、社会的適応性などの能力を図る指数とも併せて診断されるものである。
4.× 自閉症では、興味、関心のある事柄に対して常同的または反復的な行動を伴うごとが多く、きわめて限定され執着する強い集中力をみせることがある。
5.× 自閉症の人は、ある一定の行動をとる傾向があり、毎日同じ場所で、同じ時間に同じ行動をすることがある。そのため、ルーティン化されていない予定外への対応は困難であり、対応できずパニックに陥ることもある。

●自閉症の特徴

他人との社会的関係の形成の困難さ対人関係を築くのが苦手。会話中に目を合わせることが苦手で、無理に合わせようとするとバニックを起こす
言葉の発達の遅れ言葉を話しはじめるのが遅く、 言業の意味を理解することが困難なため、相手に言葉を介して気持ちを伝えることが難しい
興味や関心が狭く特定のものにこだわる自分の興味があることには集中し同じ行動を繰り返すことがあり、興味が向かない物事には関心を示さない
傾向がある

 

 

 

 

問題92 G君(12歳,男性)は現在,小学校に通学している。小さい頃から,集中力が乏しい,じっとしていられない,順番が待てないなどの症状が指摘されていた。また,このような行動に対して友人や周囲の大人から注意を受けることが多く,自信が持てないでいた。心配した母親は,紹介を受けて発達障害者支援センターに相談することにした。
 G君に対する支援方法の助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 一度に多くの指示を伝える。
2 他者との交流を回避する。
3 集中できる環境をつくる。
4 比喩を用いた会話を促す。
5 視覚に強い刺激を与える。

解答3

解説

 G君の行動の特徴からADHD(注意欠陥多動性障害)である可能性が高く、それを踏まえた支援を行う必要がある。ADHDは、「年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである。また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定される」と文部科学省で定義されている。

1.× 一度に多くの指示を伝えることは、G君の混乱をまねく。具体的に短く伝えたほうが理解しやすい。
2.× ADHDの人は、衝動性があるため、不適切な発言や行動を起こしてしまうこともあるが、社会性は保持されている。したがって、他者との交流を回避することは望ましくない。
3.〇 正しい。音や声に敏感に反応し、刺激にすぐ興味が移るなど気が散りやすいため、目的や課題に集中できる環境をつくることが望ましい。
4.× 比喰を用いた会話は抽象的で理解しにくく、気も散りやすくなる。より具体的な会話のほうがわかりやすい。
5.× 光への過敏性が強い人もいる。視覚的刺激で落ち着かなくなる場合もあるため、刺激を軽減するほうが望ましい。

●ADHDの特徴

注意力の障害注意が持続できない、気が散りやすい、必要なものをよくなくす
多動性じっと座っていられない、 常にそわそわ動いている など
衝動性順番を待つことが苦手、人の会話に割り込むなど

 

 

 

 

問題93 言語機能障害を来す難病として,最も可能性の高いものを1つ選びなさい。

1 潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis)
2 悪性関節リウマチ(malignant rheumatoid arthritis)
3 後縦靱帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament)
4 クローン病(Crohn disease)
5 脊髄小脳変性症(spinocerebellar degeneration)

解答5

解説

 言語機能障害とは、「聞く」「話す」「読む」「書く」に障害がある状態をいい、適切なコミュニケーションが困難な状態となる。原因として、失語症や言語発達遅滞のほか、発声器官の異常による口腔の障害、声帯の異常、発声や構音に関連する筋肉の麻痺、脳梗塞や頭部外傷などにより言語野がダメージを受けることでも障害が起きる。
1.× 言話機能障害が起こる可能性は低い。潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜(最も内側の層)にびらんや潰瘍ができる大腸の炎症性疾患で、指定難病である。下血を伴うことが多い下痢と、頻回に起こる腹痛が特徴である。
2.× 言話機能障害が起こる可能性は低い。悪性関節リウマチは、血管炎をはじめとする関節外症状を認め、難治性もしくは重篤な臨床病態を伴う指定難病である。多発性関節炎、発熱、体重減少を伴う皮下結節、紫斑、筋痛、筋力低下、間質性肺炎、胸膜炎などが症状として現れる。
3.× 言話機能障害が起こる可能性は低い。後縦靭帯骨化症は、脊柱の中を縦に走る後縦靭帯が骨になり、脊柱管に狭窄が起きるため、感覚障害や運動障害が現れる指定難病である。首筋や肩甲骨周辺・指先の痛みやしびれがあり、悪化すると足のしびれや感覚障害、運動障害を起こし日常生活が困難になる。
4.× 言話機能障害が起こる可能性は低い。クローン病は、大腸および小腸の粘膜に侵性の炎症または潰傷を引き起こす原因不明の指定難病である。若年者に多くみられ、腹痛や下痢、血便、体重減少などが生じる。
5.〇 正しい。脊髄小脳変性症は、小脳に何らかの病変が起きることにより、起立時や歩行時のふらつきや手のふるえ、話すときにロや舌がもつれ、ろれつが回らない等の言語機能障害を含む運動失調が症状として現れる。ゆっくりと徐々に進行し、飲み込みの機能が障害されて嚥下障害も来すことがある。嚥下機能検査などを受けて、食事形態を食べやすいものに変更するなど、誤嚥性肺炎に注意する必要性もある。

 

 

 

 

 

問題94 適応機制の1つである「退行」に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 認めたくない欲求を心の中に抑え込もうとする。
2 欲求を価値の高い行為に置き換える。
3 適当な理由をつけて,自分を正当化しようとする。
4 発達の未熟な段階に後戻りして,自分を守ろうとする。
5 苦しくつらい現実から逃げることで,一時的に心の安定を求める。

解答4

解説

 適応機制とは、一次的なストレスや欲求不満などが生じたときに、 無意識のうちに自分を満足させる心理的な反応のことである。

1.× 認めたくない欲求を心の中に抑え込もうとする。→「抑圧」である。
2.× 欲求を価値の高い行為に置き換える。→「昇華」である。
3.× 適当な理由をつけて,自分を正当化しようとする。→「合理化」である。
4.〇 正しい。発達の未熟な段階に後戻りして,自分を守ろうとする。→「退行」である。
5.× 苦しくつらい現実から逃げることで,一時的に心の安定を求める。→「逃避」である。

 

 

 

 

問題95 相談支援専門員の業務として,適切なものを1つ選びなさい。

1 障害支援区分の審査判定を行う。
2 就労に必要な能力を高める訓練を行う。
3 サービス等利用計画を作成する。
4 個別支援計画を作成する。
5 外出時の移動介護を行う。

解答3

解説

 相談支援専門員とは、身体上もしくは精神上の障害があることまたは環境上の理由により、日常生活を営むのに支障がある者に対し、日常生生活の自立に関する相談に応じ、助言、指導その他の支援を行う者のことである。
1.× 障害支援区分の審査判定は、中立・公平な立場で市町村審査会が行う。
2.× 就労移行支援は、事業所の職業指導員および生活支援員就労支援員サービス管理責任者によって行われる。
3.〇 正しい。サービス等利用計画を作成するのは、生活支援専門員の業務である。相談支援専門員は、利用者の意見を取り入れながら、サービス事業者等と中立な立場で適切かつ効果的に障書福祉サービスを提供できる計画を作成する。
4.× 個別支援計画は、両者に対して障害福祉サービスを提供する指定障害福祉サービス事業者によって作成されるものである。
5.× 外出時の移動介護は、障害者総合支援法に基づく行動援護が該当する。介護福祉士をはじめ居宅介護職員初任者研修修了者等が行う。

 

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