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第30回(H29) 介護福祉士国家試験 解説【問題86~90】

 

問題86 認知症(dementia)の利用者Fさんは,施設外へ出て行って一人で帰れないことを繰り返している。Fさんへの予防的対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Fさんが出て行こうとするたびに,制止する。
2 Fさんの視線の高さに合わせて,出入口に「通行止め」と書いた札を貼る。
3 Fさんに「ここがあなたの家です」と,繰り返し説明する。
4 Fさんと一緒にスタッフも出かけて,戻るように指示する。
5 Fさんの日常の様子を観察した上で,出て行く理由や目的を検討する。

解答5

解説

 施設外へ出て行って一人で帰れないこと(徘徊)でも、本人にとっては理由や目的があっての行動であるため、まずは本人の患いを正確に理解するように努める。よって、5.「Fさんの日常の様子を観察した上で,出て行く理由や目的を検討する」が正しい。

 

 

 

 

 

障害の理解

問題87 ICF(International Classification of Functioning,Disability and Health:国際生活機能分類)の社会モデルに関する記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 障害は,個人の問題である。
2 障害は,病気・外傷などから直接的に生じる。
3 障害は,専門職による個別的な治療で解決する。
4 障害は,環境によって作り出されるものである。
5 障害への対処では,個人のよりよい適応と行動変容が目標とされる。

解答4

解説

 ICFのよれば、社会モデルでは、障害を主として社会によってつくられた問題とし、その多くが個人を取り巻く環境によってつくり出されたものであるとしている。こに対して、医学モデルでは、障害を個人の問題としてとらえ、障害は病気・外傷などから直接的に生じるものであり、専門職による個別的な治療という形で医療などの提助を必要とするとしている。
1.× 社会モデルでは、障害は個人を取り巻く社会的環境によってつくり出されるとしている。

2.× 選択肢は、医学モデルの考え方である。
3.× 選択肢は、医学モデルの考え方である。
4.〇 正しい。社会モデルでは、環境因子によって心身機能および身体構造の機能障害が生じたり、活動の制限が生じたり、社会参加の制約が生じたりするとしている。
5.× 社会モデルでは、例えば、ADLの向上を図って、よりよい適応や行動変容が目標とされるとは考えない。個人を対象とした変容ではなく、個人を取り巻く環境の変容を目標とする。

 

 

 

 

問題88 障害福祉計画において,ノーマライゼーション(normalization)の理念に沿って設定されている成果目標として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用する交通機関の整備
2 ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の自立
3 身体機能の回復による社会復帰
4 疾病や障害の管理
5 福祉施設の入所者の地域生活への移行

解答5

解説
 障害者福祉の基本理念であるノーマライゼーションとは、障害のない人と、障害のある人が同じ生活状態で暮らすことであり、同じ社会の一員として当たり前の生活を送ることができるように生活条件を整えることである。ノーマライゼーションを実現するためには、障害者が住れた地域、住み慣れた家で普通の生活ができるように支援していくことが必要である。
 2018 (平成30)年度から2020年度までの第5期障害福祉計画期間では、 成果目標として、福祉施設の入所者の地域生活への移行、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築、地域生活支援拠点等の整備、福祉施設から一般就労への移行等、障害児支援の提供体制の整備等が設定されている。
したがって、5が正しい。

 

 

 

問題89 「ソーシャルインクルージョン(social inclusion)」を説明する内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 本人の利益のために,本人に代わって意思決定をすること
2 全人間的復権のこと
3 共に生き,支え合うこと
4 障害者の「強さ」に着目して支援すること

解答3

解説

  ソーシャルインクルージョンとは、主にイギリスやフランスで用いられた社会政策上の理念である。障害者や高齢者、ひきこもり、ホームレスや外国籍の人など、あらゆる人が包み込まれて生きる社会のあり方を提言する理念である。また、ソーシャルインクルージョンでは「共生」を、物理的な場や生活様式を同じにするということではなく、地域に居場所があること (地位)、支援してもらうだけでなく役に立つことができること(役割)、市民として互いに支え合えること(関係性) としてとらえている。よって、解答は3.「共に生き,支え合うこと」となる。

 ちなみに、2の選択肢である「全人間的復権」とは、リハビリテーションの理念である。4の選択肢である障害者の「強さ」に着目して支援することをストレングスモデルという。5の選択肢である権利擁護や代弁をする活動のことをアドボカシーという。

 

 

 

 

問題90 高次脳機能障害(higher brain dysfunction)の主な症状の1つである社会的行動障害に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 自分で計画を立てて物事を実行することができない。
2 2 つのことを同時にしようとして混乱する。
3 新しいことを覚えられなくて何度も人に聞く。
4 ちょっとしたことで感情を爆発させる。
5 人に指示をしてもらわないと動けない。

解答4

解説
1.× 自分で計画を立てて物事を実行することができないことを遂行機能障害という。
2.× 2つのことを同時にしようとして混乱することを注意障害という。
3.× 新しいことを覚えられなくて何度も人に聞くことを記憶障害という。
4.〇 正しい。ちょっとしたことで感情を爆発させることを社会的行動障害という。
5.× 人に指示をしてもらわないと動けないことを遂行機能障害という。

●高次脳機能機能障害の主な症状

記憶障害新しいことを覚えられなくて何度も人に聞く など
注意障害2つのことを同時にしようとして混乱する。ぼんやりしていてミスが多い など
遂行機能障害自分で計画を立てて物事を実行することができない。人に指示してもらわないと動けない。1つのことにこだわって状況に応じた判断ができない など
社会的行動障害ちょっとしたことで感情を爆発させる。 すぐに人に頼る。子どもっぼくなる など

 

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