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第30回(H29) 介護福祉士国家試験 解説【問題81~85】

 

問題81 認知機能の評価に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 長谷川式認知症スケールで認知症(dementia)の診断が可能である。
2 FAST(Functional Assessment Staging)は,血管性認知症(vascular dementia)の重症度判定に用いる。
3 IADL(Instrumental Activities of Daily Living:手段的日常生活動作)のアセスメント(assessment)は,軽度の認知症(dementia)において有用である。
4 MMSE(Mini-Mental State Examination)は,日常生活の行動観察から知能を評価する検査である。
5 言語機能が障害されると,認知症(dementia)の重症度評価はできなくなる。

解答3

解説
1.× 長谷川式認知症スケールは、認知症の簡易スクリーニング検査である。得点を参考にして認知症の疑いがあるかどうかを判断するが、これだけで認知症の診断を下すことは難しい。そもそも病気名を診断できるのは、医者である。
2.× FAST(Functional Assessment Staging)は、アルツハイマー型認知症の経過を評価するのに用いられる。
3.〇 正しい。軽度の認知症は、IADLのミスが目立つようになるため、IADLのアセスメントを行うことが有用である。例えばFASTでは、軽度の認知症を料理の手順や、家計の管理、買い物などのIADL に注目してアセスメントする。
4.× MMSEは、認知症の簡易スクリーニング検査であり、時間や場所に関する見当識、単語の復唱、図形の模写等の11項目に口頭で答えることで評価するものである。長谷川式認知症スケールと同様に、得点を参考にして認知症の疑いがあるかどうかを判断する。
5.× 認知症の重症度評価に用いられるものとして、FAST や認知症高齢者の日常生活自立度判定基準があげられる。FASTや認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は観察式の評価尺度であるため、言語機能が障害されても評価が可能である。

 

 

 

 

問題82 血管性認知症(vascular dementia)の危険因子として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 認知症(dementia)の家族歴
2 甲状腺機能低下症(hypothyroidism)
3 頭部外傷の既往
4 メタボリックシンドローム(metabolic syndrome)
5 ダウン症候群(Down’s syndrome)

解答4

解説

 血管性認知能は、脳の血管障害によって起こる。そのため、脳の血管に動脈硬化を起こすメタボリックシンドローム(肥満に加え高血圧、脂質異常症、糖尿病のうち2つ以上が組み合わさった病態)が危険因子としてあげられる。他にも、危険因子は存在しており、肥満の他にも、運動不足、喫煙、心疾患などである。なお、選択肢3の頭部外傷の現往は、慢性硬膜下血腫の原因である。慢性硬膜下血腫は、手術で血腫を取り除くことにより治療が可能な認知症とされている。
 したがって、答えは4.メタボリックシンドロームである。

 

 

 

 

問題83 認知症(dementia)の人への日常生活上の支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 次に何をすればよいか判断できない人には,ヒントを伝えて一人で考えてもらう。
2 通所介護(デイサービス)を利用する曜日がわからない人には,施設への入所を勧める。
3 自分が今どこにいるのかわからない人には,そのたびに場所を伝える。
4 着衣失行のある人には,着脱のたびに介護福祉職が代わりに行う。
5 数分前の出来事を思い出せない人には,昔の思い出を聞かないようにする。

解答3

解説
1.× 次に何をすればよいか判断できない人には、何をすればよいかを簡潔に伝えたり、支援者も同じペースで一緒に考えることが大切である。ヒントを伝えて一人で考えさせる必要はない。
2.× 予定の確認が困難であれば、「カレンダーに印をつける」「アラームを鳴るようにする」などの工夫をし、自ら行動できるように支援する。いきなり施設への入所を勧めるのは時期早々である。
3.〇 正しい。見当識障害(自分が今どこにいるのかわからない)を呈している認知症の人は、不安を感じている状態であるため、そのたびに場所を伝えることが重要である。
4.× 着衣失行は、脳の機能障害によるものであり、手足の機能は保たれている。すべてを介護福祉職が代わりに行うのではなく、簡易的な衣類に変えてみたり、模倣による着衣の方法を示したりして、自分のカで着脱ができるように支援する。
5.× 認知症が軽度であれば、最近の出来事は忘れていても過去のことはよく覚えているので、むしろ過去の楽しい思い出などを聞く機会をもつことが重要である。昔のことを思い出そうとし、楽しくコミュニケーションを図ることは、脳の活性化にっながるため、「回想法」として認知症のリハピリテーションに活用されている。

 

 

 

 

問題84 在職中に若年性認知症(dementia with early onset)になった人の家族に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 子ども世代に与える心理的な影響が大きい。
2 子どもが若年性認知症(dementia with early onset)になる可能性が高い。
3 身体的機能に問題が認められないので,家族の介護負担は少ない。
4 家族の気づきによって早期発見されることが多い。
5 本人への病名の告知は家族が行う。

解答1

解説

 若年性認知症は65歳未満で発症する認知症の総称である。2009 (平成21)年の厚生労働省の調査によると、 全国の若年性認知症者数は約3万8000人で、性別では男性に多く、推定発症年齢の平均は51歳前後であると公表されている。若年性記症の人が社会や家庭でおかれている状況を理解し、心理・社会的な支援をしていく必要がある。
1.〇 正しい。社会に限らず家庭においても重要な役割を担っているため、子ども世代に与える心環的影響は大きい。
2.× 若年性認知症のうち、遺伝的な要因のために家族間で多発している家族性アルツハイマー型認知症は、アルツハイマー型認知症の5%以下であり、子どもが若年性認知症になる可能性は低い。
3.× 若年性認知症であるため、高齢者に比べて身体的機能の問題は少ないことが考えられる。しかし、そのために俳個の距離が長いといった問題もあり、家族の介護負担が少ないわけではない。
4.× 在職中であるため、同居の家族より職場の人に気づかれることが多い。
5.× 若年性認知症に限らず、本人へのインフォームドコンセント(病状の告知、病状経過や治療方針、計画などの説明と同意)は医師が行うのが基本である。

 

 

 

 

問題85 Dさん(75歳,男性)は,介護福祉職のEさんの近所に3年前に引っ越してきた。Dさんは引っ越してきた時から一人暮らしである。最近,Dさんは,「米が盗まれてしまって,夕飯が作れなくて困っている。米を貸してほしい」と,夕方,Eさんの家をたびたび訪ねるようになった。Dさんの家族は海外赴任中の息子家族だけだと,以前Dさんから話を聞いたことがある。Eさんは息子と一度も会ったことはない。
 EさんがDさんについて相談する機関として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 福祉事務所
2 地域活動支援センター
3 居宅介護支援事業所
4 認知症疾患医療センター
5 地域包括支援センター

解答5

解説
1.× 福祉事務所は、福祉六法に定める援護や育成または更生の措置に関する事務を行う機関である。認知症が疑われる人に関することを相談する機関として適切ではない。
2.× 地域活動支援センターは、障害者等を通わせ、創作的活動または生産活動の機会の提供、社会との交流の促進その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する施設である。認知症が疑われる人に関することを相談する機関として適切ではない。
3.× 居宅介護支援事業所は、要介護認定を受けた人が介護サービスを利用する時に、介護支援専門員(ケアマネジャー)がケアプラン(居宅サービス計画)を作成する事業所である。認知症が疑われる人に関することを相談する機関として適切ではない。
4.× 認知症疾患医療センターは、かかりつけ医や地域包括支援センター等からの紹介を受けて、認知症に関する専門的な診断や治療などを行う医療機関である。認知症が疑われる段階でEさんが相談する機関として適切ではない。
5.〇 正しい。地域包括支援センターの主な業務の1つである包括的支援事業に、認知症総合支援事業がある。この認知症総合支援事業は、認知症初期集中支援チームの関与による認知症の早期診断、早期対応や認知症地域支援推進員による相談対応などを行うものであり、Dさんについて相談する機関として適切である。

 

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