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第30回(H29) 介護福祉士国家試験 解説【問題71~75】

問題71 老化に伴う身体の変化に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 骨密度が上昇する。
2 唾液の分泌量が増加する。
3 肺活量が増加する。
4 貧血になりやすい。
5 皮膚の表面が湿潤化する。

 

解答4

解説
1.× 骨密度は、低下する。特に女性の場合は、更年期になると骨芽細胞のはたらきを促進する女性ホルモンが低下するため、 男性と比較して早く骨密度が低下する。
2.× 唾液は、成人であれば1日1~1.5Lほど分泌されるが、高齢になると1日800mLほどに分泌量が減少し、粘性は増強する。
3.× 老化により、横隔膜の上下運動、胸部の動きが制限され、肺の容積量が低下するので肺活量や予備力も低下する。
4.〇 正しい。加齢により骨髄の造血機能は低下し、赤血球の新生を刺激するホルモンの感受性も低下する。その結果、高齢になると赤血球の数が減少する。つまり貧血になりやすい。
5.× 加齢により発汗や皮脂の分泌が低下し、皮膚の水分保有量が減少する。その結果、ドライスキンと呼ばれる皮膚が乾燥しやすい状態となる。

 

 

 

問題72 老化に伴う感覚や知覚の変化に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 「1 時(いちじ)」と「7 時(しちじ)」のような似た音を聞き取ることが難しくなる。
2 暗さに目が慣れる能力よりも,まぶしさに目が慣れる能力が低下する。
3 味覚の低下は個人差が少ない。
4 高音域よりも,低音域の音が聞こえにくくなる。
5 通常の明るさよりも,薄暗い方がよく物が見える。

 

解答1

解説
1.〇 正しい。音に含まれる微妙な周波数の違いが分からなくため、さ行、か行、 た行などの聞き取りが困難となり、「1時(いちじ)」と7時(しちじ)」のように似た音を聞き取ることが難しくなる。
2.× 老化により、明るさに慣れる能力(明順応)や暗さに慣れる能力 (暗順応)はともに低下する。特に、高齢になると若年者と比較し暗いところでも瞳孔が開かなくなるため、さらに順応に時間がかかる
3.× 味覚の低下は、個人差が大きい。加齢に伴う味の低下の原因には、味を感じる味蕾の細胞数の減少のほか、 薬剤の副作用、喫煙、亜鉛の欠乏、口腔疾患、口腔内の清潔状態の悪化などがある。
4.× 低音域より高音域の音が聞こえにくくなる。
5.× 加齢により水晶体は白濁し、進行すると対象物が黄色がかって見えたり、くすんで見える。高齢者は若年者と同じ明るさの光を見ても暗く感じるため、対象物を見る際は通常より明るい照度が必要となる。

 

 

 

 

問題73 Aさん(86歳,男性)は,介護老人福祉施設に入所している。2か月前に転倒骨折で入院し,歩行訓練を経て施設に戻ってきたばかりである。施設では,転倒の危険性に配慮して,車いすを使用している。Aさんが車いすから立ち上がろうとするたびに,介護福祉職が,「危ないから座っていてくださいね」と声をかけるようにした。その結果,Aさんは,入院以前よりも口数が少なくなり,元気がなくなった。Aさんは,家族や施設の職員,他の入所者との関係は良好である。
 Aさんの現在の心理的状態をマズロー(Maslow, A.H.)の欲求階層説に基づいて説明した次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 生理的欲求が充足されていない状態である。
2 安全欲求が充足されていない状態である。
3 承認欲求が充足されていない状態である。
4 所属・愛情欲求が充足されていない状態である。
5 自己実現欲求が充足されている状態である。

解答3

解説

●マズローの欲求階層説は、人間の本質的な欲求を5段階の階層構造で示し、人間は下位の欲求が満たされることで上位の欲求を求めるとされている。

種類説明
生理的欲求 人が生きていくための基本的・本能的な欲求 (睡眠欲、食欲、性欲など)である。
安全欲求安全・安心な暮らしを求める欲求である。
承認欲求他者に認められたい、自信をもちたいという欲求である。承認欲求が充足されていない場合は、劣等感や無力感が生まれる。
所属・愛情欲求仲間を求め、集団に溶け込みたいという欲求で、社会的欲求ともいわれる。欲求が充足されていない場合、孤独感などの感情が芽生える。
自己実現欲求自分自身をさらに成長させようとする欲求で、欲求階層説では最上位にある。

1.× 施設に入所しているAさんは、生理的欲求は充足されていると考えられる。
2.× 家族や施設の職員、他の入所者とも良好な人間関係を築いている。落ち着いた暮らしを実現しているため、安全欲求は充足されていると考えられる。
3.〇 入院中の歩行訓練を経て、活動への意欲や自信が芽生えていた可能性がある。しかし、職員の対応は、Aさんの意欲を損なうものであるため、承認欲求が充足されていないと考えられる。
4.× Aさんは良好な人間関係を築き、集団に溶け込めているため、所属・愛情欲求は充足されていると考えられる。
5.× Aさんにとって、施設での生活は思い通りではなく、下位層の欲求が充足されていないと推測されるため、 最上位の自己実現欲求も充足されていないといえる。

 

 

問題74 嚥下障害に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 歩く時に胸が痛くなる。
2 食事の時にむせる。
3 食後に上腹部痛が生じる。
4 立ち上がった時に目の前が暗くなる。
5 咳をした時に痰に血が混じる。

 

解答2

解説

 嚥下運動とは、口腔内に入った食塊や液体を咽頭口、食道を通過して胃まで送る過程のこと。つまり、食事中に起こり得ることが多い。
1.× 胸痛の原因の多くは、呼吸器系、循環器系の障害とされる。
2.〇 正しい。食事場面で嚥下運動に異常(むせる)が発生していることから、嚥下障害と考えられる。
3.× 食後に異常が発生しているため、嚥下障害とは考えにくい。
4.× 立ちくらみは起立性低血圧の可能性が高く、嚥下障害とは直接的に結びつきにくい。
5.× 血液が混入した痰が出た場合を血痰、口から血液そのものが出た場合を喀血と呼ぶ。いずれも気管・気管支・肺からの出血であり、原因疾患には肺炎、肺結核、 肺がん等が考えられる。

 

 

 

 

問題75 パーキンソン病(Parkinson disease)の症状として,適切なものを1つ選びなさい。

1 後屈した姿勢
2 大股な歩行
3 血圧の上昇
4 頻回な下痢
5 無表情

 

解答5

解説

 パーキンソン病は、中脳の黒質の細胞が変性し、神経伝達物質であるドーバミン産生されにくくなることで起こる病気である。筋強剛(筋固縮)、無動・寡動、安静時振戦、姿勢反射障害が4大症状である。
1.× 後屈した姿勢ではなく、前屈した姿勢である。後屈とは、後ろに曲がることで、 のけ反った姿勢となる。
2.× 大股な歩行ではなく、足が前に出にくいすくみ足や、足が上がりにくい(足を引きずるように歩く)すり足小刻み歩行になるのが持徴である。
3.× 血圧の上昇は、バーキンソン病の症状として一般的ではない。起立性低血圧、便秘などの自律神経症状がみられる。起立性低血圧とは、安静状態からの急な姿勢変化や運動後に血圧が急激に低下する現象である。いわゆる立ち眩みである。
4.× 下痢は、パーキンソン病による症状として一般的ではない。反対に、便秘は、バーキンソン病による自律神経系の異常や、無動などの症状による運動量の低下が、腸の活動に影響を及ぼすなど複数の原因が影響する。
5.〇 正しい。パーキンソン病の筋強剛(筋固縮)によって顔面筋の緊張状態が高まり、表情変化が乏しくなった結果、無表情になる。これを仮面様顔貌と呼び、パーキンソン病の代表的な症状の1つである。仮面様顔貌は、無表情になる、まばたきが減る、目は1点を見つめるようになるといった特徴を示す特徴がある。

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