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第30回(H29) 介護福祉士国家試験 解説【問題56~60】

問題56 昼夜逆転している利用者への介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 食べたい時に,食事をするように促す。
2 1時間以上,昼寝をするように促す。
3 夕方に,散歩をするように促す。
4 寝る直前に熱いお風呂に入るように促す。
5 眠くなるまで,テレビを見て過ごすように促す。

 

解答3

解説
1.× 食べたい時に食事をすることになると、本人のベースで食事をすることになり、生活リズムがさらに不規則になることが予測される。昼夜逆転を改善するためには、まず生活リズムを整えることが必要になるので、食事時間はある程度決めて規則正しい生活リズムを整えていくことが望ましい。
2.× 1時間以上の昼寝は、身体の休養を取りすぎてしまうことで夜間の不眠の誘因となる。昼寝を必要とする場合は、15分~30分以内の時間にすることが望ましい。
3.〇 正しい。タ方、屋外に出て歩くことはエネルギーの消費による適度な疲労感が得られること、また、外気にふれることで気分転換となり入眠しやすくなると考えられる。
4.× 寝る直前の熱いお風呂での入浴は、交感神経が刺激され、覚醒を促すことになり逆効果となる。入眠を促すには、寝る1時間くらい前にぬるめのお風呂にゆっくりと入り、副交感神経を刺激してリラックスした状態に整えることが必要である。
5.× 睡眠前は、静かで音や光の刺激がない、精神的に落ち着けるような環境を整えることが必要である。

 

 

 

問題57 パーキンソン病(Parkinson disease)(ホーエン・ヤール重症度分類ステージ3)の高齢者の寝室環境に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ベッドは介護者に合わせた高さにする。
2 ベッドに手すりをつける。
3 マットレスは体が沈みこむものを選ぶ。
4 ベッドサイドの床にクッション性のあるマットを敷く。
5 枕は頸部前屈になるような高さにする。

 

解答2

解説

 ホーエン・ヤール重症度分類ステージ3の場合、日常生活は介助なしで送ることができるが、症状は進行し、身体が動きにくい状態である。
る。
1.× ベッドの高さは、介護者ではなく、高齢者に合わせる。ベッドは本人に合わせた高さとし、自力での乗り降りを安全に行うことができるよう調整するとよい。
2.〇 正しい。ベッドに手すりを取り付けることは有効である。手すりを設置していると、寝返り、起き上がり動作や端座位、立ち上がりなど、自力で動作することを助けてくれる。手すりの取り付け場所は高齢者の状態と意思を尊重して決定するとよい。
3.× マットレスは体が沈みこまないものがよい。日常生活には介助を要しないレベルではあるが、体の動きにくさは自覚している時期である。マットレスの硬さは高齢者の好みを踏まえつつ、寝返りのしやすさ、端座位の安定した保持、立ち上がりをスムーズにするためには、体が沈みこまない適度の硬さが必要である。
4.× 身体のパランスが悪くなっている状態にある。一部分に敷いたマットはそれ自体が段差となりつまずきやすく、さらにクッション性のあるものは不安定で危険である。
5.× パーキンソン病の姿勢は、病状が進むにつれ頚部前屈位になっていく。さらに助長することになるため望ましくない。

 

 

問題58 Dさん(75歳,女性)は,以前は散歩が好きで,毎日,1時間ぐらい近所を歩いていた。最近,心不全(heart failure)が進行して歩行がゆっくりとなり,散歩も出かけず,窓のそばに座って過ごすことが多くなった。食事は,すぐおなかがいっぱいになるからと, 6 回に分けて食べている。夜,「横になると呼吸が苦しい時があり,眠れていない」という言葉が聞かれるようになった。
 Dさんへの安眠の支援に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 寝る前に,肩までつかって入浴する。
2 寝る30分前に,少量の食事を摂取する。
3 以前のように,毎日1時間の散歩を再開する。
4 就寝時は,セミファーラー位にする。
5 朝,目覚めた時にカーテンを開ける。

 

解答4

解説

 心不全は、心臓の機能が低下し全身に十分な血液を送ることができなくなる状態である。睡眠中は全身に必要な血液量が減少するため、質のよい睡眠は心臓の負担を軽減する。 
1.× 肩までお湯につかると、水圧により全身の血管が収縮し、血液が一気に心臓へ戻る。結果的に、心臓に負担をかけることにつながる。浴槽のお湯を心臓より下にした半身浴にすることで胸部への圧迫を避けられ、心肺機能への負担を軽減できる。
2.× 食事を摂ると、消化のためにからだの深部体温が上昇するため、少なくとも寝る2時間前には食事はすませたほうがよい。
3.× 以前と同じ運動を行うことは病状を悪化させる可能性があり危険である。運動の内容や量については医師と相談してから実施することが望ましい。
4.〇 セミファーラー位とは、ベッドの頭部を30度挙上した体位である。 軽く上体を起こすことによって、横隔膜が下がり呼吸面積が広がる。時に息苦しさを感じ、 眠れないことがあるDさんに、 セミファーラー位は有効である。
5.× カーテンを開けるだけでなく、カーテンを開け日光を浴びるよう支援する。 太陽の光を通すカーテンを使用し、光を浴び覚醒するリズムをつくることが安眠につながる。ただ、本症例は、「横になると呼吸が苦しい」という訴えから、ホルモンの問題である可能性は薄いと考えられる。

 

 

問題59 終末期にある利用者を施設で看取る家族への支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 毎日面会に来るように促す。
2 家族が利用者のためにできることを提案する。
3 積極的な情報提供は控える。
4 感情を表出しないように助言する。
5 パブリックスペースを用意する。

 

解答2

解説
1.× 毎日の面会がお互いにとって望ましい場合と、そうとは限らない場合もある。家族の利用者に対する思いと、 利用者の家族に対する思いを感じながら、それぞれの負担にならないよう見守る支援が必要である。
2.〇 正しい。終末期にある利用者を前にすると、家族は何をしてよいのか戸惑うこともある。家族がどのような看取り方を希望するのか、ケアに対する要望を確認したうえで、家族が利用者のためにできることを提案する。家族に役割をもたせることは、利用者との時間を共有し家族のこころの安定にもつながる。
3.× 積極的な情報提供が、家族の意思の決定を尊重することにつながる。介護福祉職は、利用者と家族をしっかりと支える体制をつくり、状態の変化に応じて柔軟に対応することが大切である。
4.× 家族がその時々の感情を表現することは、少しずつ気持ちを整理し、大切な人の死を受け入れていくうえで必要なプロセスである。
5.× パブリックスペースとは、 誰もが共有することのできる開放的な場所のことをいう。家族に限られた時間を意識させ、利用者と向き合う機会をつくることは、別れのときへの準備を進めることになる。誰にも気兼ねなく過ごすことのできるプライベートな環境を整えることが大切である。

 

 

問題60 施設において,介護福祉職の行う死後の処置として,適切なものを1つ選びなさい。

1 義歯ははずす。
2 衣服は施設が指定したものを用いる。
3 着物の場合は右前に合わせる。
4 着物の場合は帯紐を縦結びにする。
5 死後の処置は,死後3時間経過してから行う。

 

解答4

解説
1.× 死後硬直が始まる前に、義歯は可能な限り装着し生前の顔説に近づけることが大切である。
2.× 衣服は家族の希望を最優先に、あるいは、本人が生前に準備をしていたものがあればそれを身に着けるようにする。
3.× 着物の場合は左前に合わせる。左前とは、亡くなった人の左手が懐にすんなりと入る状態である。
4.〇 正しい。亡くなった人に着物を着せる場合の帯紐は縦結びにする。これは、亡くなった人に施される結び方であり、昔からの日本の習わしである。日常の生活場面においても、着物に限らず衣服など紐を結ぶ機会は多い。この場合、縦結びは亡くなった人を連想させることから、一般的には縁起が悪いとされている。
5.× 死後3時間経通した後の処置は、死後硬直があるため、きわめて難しいものとなる。死後硬直とは、筋肉が硬くなる現象であり、早ければ死後1~2時間、通常でも2時間経過後より徐々に始まる。顎関節から始まり、頚部の筋肉の硬直、上肢から下肢にかけて全身に及んでいく。医師による死亡診断が行われ、家族との対面をすませた後は、速やかに死後の処置を始めることが望ましい。容貌や容姿をその人らしく整えることにつながる。

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