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第30回(H29) 介護福祉士国家試験 解説【問題31~35】

問題31 Lさん(75 歳,女性)は,介護老人福祉施設に入所している。中等度のアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断されて,担当のM介護福祉職(男性)を,既に亡くなった自分の夫であると認識している。何か心配なことがあると,M介護福祉職を探しだして,「お父さん聞いて…」と不安そうな表情で話してくる。
 不安そうな表情で話すLさんへの,M介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 女性職員に対応してもらうように伝える。
2 夫は既に亡くなっていることを伝える。
3 Lさんの話に耳を傾ける。
4 おしぼり畳みの軽作業を依頼する。
5 忙しくて手が離せないことを伝える。

 

解答3

解説

 認知症の人の誤認についてどう対応することが望ましいのか、不安な気持ちに対し寄り添うことの意味を確認する。不信感を与えることや、かえって混乱を生じさせてしまう恐れのある行為は控える。よって解答は3となる。4のおしぼり畳みの軽作業という役割をもってもらうことは支援のあり方の1つであるが、 現在Lさんが感じている不安の解消にはつながらないため不適当である。

 

 

 

問題32 Aさん(97歳,女性)は,介護老人福祉施設に入所している。最近,衰弱が進んで水も飲めなくなり,「もう,逝ってもいいんだけどね」とつぶやくことが増えた。
 ある日,夜勤の介護福祉職がAさんの様子を確認しようとベッドに近づくと,Aさんが目を開けて,「お迎えはまだかしらね」と穏やかな顔で言った。
 Aさんの発言に対する介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 何も考えずに早く寝た方がいいと就寝を促す。
2 Aさんの手を握り,ゆっくりさする。
3 そのような言葉を言ってはいけないと伝える。
4 明日,家族に連絡して来てもらうことを伝える。
5 いつものことだと思って,声をかけずにそのまま部屋を出る。

 

解答2

解説
 死期が迫っていると感じている利用者は少なからず不安な気持ちを抱いている。その気持ちをどのように理解し、受け止めるのか。そのような場合、言語によるかかわりだけでなく、手を握り、ゆっくりさするなどのスキンシップを用い、寄り添う対応をとることで不安の軽減につながる。発言を否定するのではなく、受容・教官の姿勢を持って傾聴することが求められる。よって解答は2である。

 

 

 

問題33 介護業務の事故報告に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 口頭での報告は,結論を述べてから事故に至る経過を説明する。
2 事故報告書は,管理者以外は閲覧できないように保管する。
3 軽微な事故の場合は,後日報告する。
4 介護福祉職としての判断を除外して報告する。
5 記録した内容は,口頭での報告が不要である。

 

解答1

解説
1.〇 正しい。口頭での報告は、まず結論を述べてから事故に至る経過を脱明する。結論から先に報告することで相手も理解しやすくなる。
2.× 事故報告書は、チーム全体で事故情報を共有するために使用されるものであるため、管理者以外の職員も閲覧できるようにしておくことが求められる。 職員一人ひとりに対し、事故防止への意識づけを図るために職場内で共有することが大切になる。
3.× 「小さなことだから報告しなくてもよい」「報告を後に回してもよい」という考えからほころびが生じ、 大きな事故に発展するおそれがある。
4.× 報告の際には、客観的事実に加えて、そのことに対する介護福祉職としての判断を含めるように心がける。
5.× 文書による記録だけでは、微妙なニュアンスが伝わりにくいこともあるので、口頭での報告をつけ加えることが求められる。

 

 

問題34 ブレインストーミング(brainstorming)の原則に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 奇抜な意見を除いて,自由に意見を出す。
2 他人の意見が正しいかどうかをその場で判断する。
3 意見の質よりも,数多くの意見を出すことに価値を置く。
4 他人の意見を参考にしてはいけない。
5 他人の意見を自由に批判する。

解答3

解説

 会議の方法の1つであるブレインストーミングの原則について問われている。ブレインストーミングは、数名のチーム内で自由に発言し、たくさんの意見を出し合うことで、同題の解決に結びつける創造的開発技法である。進行上のルール、原則について押さえておきたい。
1.× ブレインストーミングでは、より多くの意見を出し合うことを大切にしており、奇抜な意見を含め自由な意見を出すことを歓迎している。自由な発想が多く出ることで、さらに創造的な意見を生み出すことが期待できる。
2.× ブレインストーミングの原則として、他人の意見が正しいかどうかをその場で判断しないことがあげられる。 結論を出すことが目的ではなく、とにかく多くの意見を出すことを大切にしていくことが求められる。
3.〇 正しい。ブレインストーミングでは、意見の質にとらわれず、数多くの意見を出すことに価値を置いている。多くの意見を出し合うことにより、その内容を分析、整理して組みあわせたり、展開を図り解決へと結びつけていくことが期待される。
4.× 他人の意見を参考にしてもよい。新たに意見を付け加えたり結合することで意見の質を高めていくことが期待される。
5.× 自由な発想を出し合うことを大切にするため、他人の意見を批判しないという原則がある。

 
●まとめ~ブレインストーミングとは?~

特徴会議の方法の1つであり、 少人数のグループでさまざまな意見を出し合い、問題解決を図る。
原則

常識や先入観にとらわれない自由な意見を出す。

まず質よりを求める。

複数の意見を結合させながらを向上させる。

批判はしない。

 

 

 

生活支援技術

問題35 Bさん(87歳,女性)は夫(90歳)と二人暮らしである。Bさんには持病があり,夫は脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症による軽い右片麻痺で,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。Bさんと夫は苦労して手に入れた自宅に愛着を感じており,以前から,「死ぬならこの家で」と話していた。ある日Bさんは,「この家で死にたいと思っていたけど,いつまで二人で暮らせるか…」と打ち明けた。
 話を聞いた訪問介護員(ホームヘルパー)がBさんにかける言葉として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「ご夫婦二人で入居できる施設を探しましょう」
2 「便利な道具がいろいろありますから使ってみましょう」
3 「どなたかご家族と同居できるといいですね」
4 「いざとなれば病院に入院しましょう」
5 「何か心配なことがおありなんですね」

 

解答5

解説

 高齢者夫婦の二人暮らしで、夫は要介護状態で訪問介護を利用しているという事例である。訪問介護員が妻からこれから先の不安を聞いたときにどのような返答をするべきかが問われている。安易に訪問介護員自身の価値観で答えるのではなく、まずは妻の思いに共感し、どのようなところに不安を感じているのか把握していくことが重要である。
1~4.× 問題文から、Bさんは不安を訴えているが、具体的にどこに不安を感じているか?また、解決案を言っているわけでもない。訪問介護員(ホームヘルパー)が自分勝手に決めるわけにはいかない。
5.〇 正しい。「何か心配なことがおありなんですね」という言葉はBさんの気持ちに寄り添っており、「いつまでニ人で暮らせるか…」という不安に思っている原因を探るためにも適切な言葉かけである。

 

 

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