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第30回(H29) 介護福祉士国家試験 解説【問題116~120】

 

問題116 ある朝,訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると,Bさんが寝室の床に倒れていた。訪問介護員(ホームヘルパー)が最初に取るべき行動として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 床から抱き起こす。
2 家族に連絡をする。
3 救急車を呼ぶ。
4 意識を確認する。
5 主治医に連絡する。

解答4

解説
1.× Bさんがなぜ床に倒れているのかわからない。そのため、抱き起こし身体を動かす対応は適切でない。 脳出血という既往があること、また、高齢者は転倒による骨折の可能性があることからも不用意に身体を動かすことは重症化を招くおそれがある。
2.× Bさんがなぜ床に倒れているのかわからない段階で、家族に連絡するにも家族が知りたい情報を伝えられない可能性が高い。まずは、Bさんの状況を確認する必要がある。場合によっては、家族に帰宅してもらったり医療機関に行ってもらうよう依頼が必要になる。
3.× Bさんがなぜ床に倒れているのかわからない段階で、救急車を呼ぶことは適切でない。救急車を要請する際は、意識の有無呼吸の有無のほか、状況を具体的に説明する必要がある。
4.〇 正しい。この問題の状況に限らず、 倒れている人を発見した場合に最初にすべきことは、意識の確認である。
5.× Bさんがなぜ床に倒れているのかわからない段階で、主治医へ連絡するのは適切でない。まずBさんの意識を確認した後、状況に応じて、救急車を呼ぶ、専門診療科に受診する、主治医に連絡して指示を受ける、安静にするなどの判断が求められる。

 

 

 

(総合問題2 )
次の事例を読んで,問題117から問題119までについて答えなさい。
〔事 例〕
 Cさん(87歳,女性)は,「財布がなくなった,誰かに盗られた」と訴えるようになった。夫が盗られていないことを説明しても受け入れなかった。心配した夫に連れられて受診すると,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。その後,認知症(dementia)の進行に伴って夫の介護負担が増えたので,通所介護(デイサービス)を利用することになった。
 ある日,介護福祉職が入浴介助をしている時,Cさんの体に複数のあざを見つけたため,介護支援専門員(ケアマネジャー)に報告した。介護支援専門員(ケアマネジャー)から連絡を受けた地域包括支援センターの職員がCさんと夫に確認したところ,夫による暴力が原因であることがわかった。夫の介護負担が軽くなるように,短期入所生活介護(ショートステイ)の利用を勧めたが,夫は拒否した。その後も,虐待は改善されなかった。そこで,市町村のやむを得ない事由による措置により施設に入所することになった。
 入所後まもなく,夜間に施設内を歩き回るCさんの様子が見られた。介護福祉職が声をかけると,「トイレの場所がわからない」と話した。日中はトイレで排泄を行い,下着を汚すことはなかった。

問題117 通所介護( デイサービス)を利用する前のCさんにみられた認知症(dementia)の症状として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 幻覚
2 抑うつ
3 見当識障害
4 失認
5 妄想

解答5

解説
1.× 幻覚は、実際には存在しない人や物が見える幻視と、実際には聞こえていない音や方が聞こえる幻聴が特徴である。事例からはCさんに幻覚症状があるとは読み取れない。
2.× 抑うつは、認知症の初期症状として認められる症状の1つである。憂うつな気分や行動・思考の低下が認められる。不眠や不安感、頭重感等の身体症状を訴える場合もある。事例からはCさんに抑うつ症状があるとは読み取れない。
3.× 見当識障害とは、今の季節や時間がわからない、自分は誰なのか、今ここがどこなのか等の時間・場所・人物がわからなくなる症状である。「トイレの場所がわからない」といっていることから、短期入所生活介護(ショートステイ)の入所後はそのような症状がみられる。問題は、通所介護( デイサービス)を利用する前に見られた症状を問われているので、不適当である。
4.× 失認は、感覚機能には障害がないものの、対象を認知できない状態をいう。視覚失認や聴覚失認などがある。事例からはCさんに失認の症状があるとは読み取れない。
5.〇 正しい。事例中の 「財布がなくなった、 誰かに盗られた」という訴えは、妄想の症状である。物盗られ妄想という。

 

 

 

 

問題118 Cさんが施設に入所する根拠となっている法律として,正しいものを1つ選びなさい。

1 介護保険法
2 生活保護法
3 老人福祉法
4 社会福祉法
5 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律

解答3

解説
1.× 介護保険法は、介護老人福祉施設等の施設サービスや訪問介護(ホームへルプサービス)等の居宅サービスなどを規定している。介護保険サービスは契約制度を基本としており、指置による入所はあてはまらない。
2.× 生活保護法は、国が生活に困窮するすべての国民に必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するための制度であり、社会保障制度のなかの公的扶助に分類される。事例からは経済的な困窮の情報は読み取れない。
3.〇 正しい。老人福祉止法第2章にて「福祉の措置」に関する内容が記載されている。同法第11条(老人ホームへの入所等)において、市町村は、やむを得ない事由により居宅において養護を受けることが困難な者の施設入所を委託することができると明記されている。
4.× 社会福祉法は、社会福祉事業や地域福祉推進のためのシステムを提定している。人権擁護の視点からは、日常生活自立支援事業などを規定しているが、高齢者虐待による措置入所は規定していない。
5.× 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)は、精神障害者の福祉の増進を目指した法律である。精神保健福祉法では、精神障害者の入院形態等について規定している。

 

 

 

 

問題119 Cさんに対する夜間の排泄の支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 定時にトイレ誘導を行う。
2 トイレの入口を明るくする。
3 水分を控えるように話をする。
4 紙おむつの使用を勧める。
5 ポータブルトイレを居室に置く。

解答2

解説

 Cさんは、①入所後まもない時期であることと、②夜間であることから(昼間は正常に行けている)ことから、昼夜の照明の変化や環境の違いから、トイレがどこにあるのかがわからなかったと考えられる。

1.× 定時のトイレ誘導に関して、夜間に定時でCさんを起こしてトイレ誘導を行うことは睡眠障害や日中の活動への影響も考えられることから適切ではない。
2.〇 正しい。Cさんの状況から、トイレの入口を明るくして、トイレの場所がわかるようにすることで排泄を自立した状態に保てる可能性は高い。日中に、トイレの場所の確認や明るくしておくことを伝えることも有効な手段になると考えられる。
3.× 高齢者のなかには、夜間の排泄の失敗や移動動作の困難性から水分を摂取したがらない人もいるが、水分を控えることで脱水症状の危険性が高まる。Cさんに限らず夜間の排泄の支援として適切ではない。
4.× 紙おむつの使用は、Cさんの残存機能を考えれば、適切な支援にはならない。
5.× Cさんが日中はトイレで排泄を行い下着も汚していないことを考えれば、排泄に必要な身体機能は維持できているため、ポータブルトイレの設置は最も適切な支援とはいえない。

 

 

 

(総合問題3 )
次の事例を読んで,問題120 から問題122 までについて答えなさい。
〔事 例〕
 N市に住んでいるDさん(64 歳,男性)は38 歳の時にバイクで事故を起こして,第6頸髄節まで機能残存の頸髄損傷(cervical cord injury)となった。上肢の筋力向上と可動域の確保のためにリハビリテーションを行ったが,手関節は拘縮して,スプーンを握ることはできなかった。また,夏になると障害の特性から体調が悪くなることを自覚していた。施設への入所も考えたが,家族と共に暮らすことを選んで,N市の居宅介護,重度訪問介護,地域生活支援事業の移動支援等の障害福祉のサービスを利用して生活していた。
 最近,Dさんは元気がなく沈んだ様子である。心配したE介護福祉職が,「最近,元気がないようですが,何か心配事でもあるのですか」とDさんに聞いた。Dさんは,「65 歳になると介護保険のサービスに移行して,障害福祉のサービスが利用できなくなるのではないか」,特に,「趣味の映画を映画館で見るための移動支援のサービスを利用できなくなるのではないか」と心配していた。

問題120 Dさんの夏の体調悪化を予防する対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 冷房設備のある部屋で過ごすように勧める。
2 清潔な空気を入れるように,時々換気することを勧める。
3 気温が上昇したら,なるべくベッドで休息することを勧める。
4 日中仮眠をとることを勧める。
5 食べやすいものを食べることを勧める。

解答1

解説
1.〇 正しい。頚髄損傷となった人の症状の1つに、発汗障害がある。そのため、室温の闘節をすることが重要であり、夏の体調悪化を予防するために冷房設備のある部屋で過ごすことは効果的である。
2.× 清潔な空気を入れるように換気をすることは、夏の体調悪化を予防するということに特化した支援ではなく、 年間を通して必要となる支援であるため、最も適切であるとはいえない。
3.× 気温が上昇すると、それに伴って体温も上昇することが考えられる。発汗障害に対して、ベッドで休息するというだけでは適切な支援とはいえない。
4.× 日中仮眠をとることを勧めることは、心身の休息や体力の回復という観点では間違っていない。しかし、日中仮眠をとることによって、夏の体調悪化を予防するということに特化した支援ではなく、年間を通して必要となる支援であるため、最も適切であるとはいえない。
5.× 類髄損傷となった人の症状の1つに、排便・排尿障害がある。単に食べやすいものを食べることを勧めるだけでは、結果として排便や排尿に悪影響を及ぼす可能性もあるため、 適切ではない。

 

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