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第30回(H29) 介護福祉士国家試験 解説【問題1~5】

※問題の引用:第30回(平成29年度)介護福祉士国家試験 筆記試験問題について

※注意:解説はすべてオリジナルのものとなっています。私的利用の個人研究のため作成いたしました。間違いや分からない点があることをご了承ください。

 

<領域:人間と社会>

人間の尊厳と自立

問題1 1960年代後半からアメリカで展開した自立生活運動に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 障害者自身の選択による自己決定の尊重を主張している。
2 障害者の自立生活は,施設や病院で実現されるとしている。
3 「ゆりかごから墓場まで」の実現に向けた制度設計を目指している。
4 障害者が機能回復を図ることを「自立」としている。
5 介護者を生活の主体者として捉えている。

 

解答1

解説
1.〇 正しい。アメリカで展開した自立生活運動(Independent Living Movement:IL運動)とは、重度の障害を有していても社会のなかで主体的に生活し、自らの力と意思で人間としての権利を獲得していくとするものである。
2.× 障害者の自立生活は、本人が望むところに基づき、可能な限り住み慣れた地域や住まいで実現されるべきとしている。特にアメリカの自立生活運動においては、障害者の自立生活について、労働力として社会活動が制限される障害者であっても、社会の一員として自己実現と社会参加が果たされるべきものであると考えられている。
3.× 「ゆりかごから墓場まで」 といわれる包括的な社会保障を確立したのはイギリスである。
4.× 障害者が機能回復を図ることは自立につながり得るものである。 しかし、「自立」の機念は身体的な側面のみならず、社会的、経済的および精神的な側面もある。
5.× 生活の主体者はあくまで障害者自身である。

 

 

問題2 Aさん(65歳,男性,要介護2)は,昨年,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。妻は既に亡くなり,娘のBさん(35歳)は遠方に嫁いでいる。Aさんは,現在,認知症対応型共同生活介護(グループホーム)で生活している。Aさんは介護福祉職に対して,「Bは頭もいいし,かわいいし,きっと妻に似たんだな」とよく話していた。
 Bさんが面会に来た時,「誰だい。ご親切にありがとうございます」というAさんの声と,「私はあなたの娘のBよ,忘れちゃったの」「お父さん,しっかりしてよ」と怒鳴るBさんの声が部屋から聞こえた。
 介護福祉職がAさんへのアドボカシー(advocacy)の視点からBさんに行う対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Aさんへの行動は間違っていると話す。
2 Bさんに対するAさんの思いを話す。
3 Aさんの成年後見制度の利用を勧める。
4 Aさんとはしばらく面会しないように話す。
5 Bさんの思いをAさんに伝えると話す。

 

解答2

解説

アドポカシーとは、自らの権利や生活上のニーズを表明することのできない利用者に代わり、介護福祉職等の援助者が家族や地域住民、行政やサービス事業所などの社会資源に対して行う一連の行動のことで、代弁とも訳される。
1.× 遠方に嫌いでいるBさんに対しては、介護福祉職がふだんのAさんの思いを代弁しながら、アルツハイマー型認知症の症状の特徴や必要とされる対応についてアドバイスしていくことが求められる。
2.〇 正しい。Bさんに対するAさんの思いを話すことは、自らの思いを表明できないAさんを代井する対応といえる。
3.× 成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などにより、判断能力が十分でない人の生活と財産を守るために、家庭裁判所により成年後見人等を選任し、法律的に支援する制度である。安易に利用を勧めるのではなく、 Aさんの希望や家庭状況などを踏まえながら情報提供していくとよい。
4.× Aさんにとって、娘のBさんは大切な家族である。面会を制限するのではなく、双方の心情を汲みながら介護福祉職が適切に対応すべきである。
5.× Bさんの思いをAさんに伝えると話すことは、介護福祉職職がAさんへのアドポカシーの視点からBさんに行う対応とはいえない。

 

 

 

人間関係とコミュニケーション

問題3 利用者との関係を構築するためのコミュニケーションの基本として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 聞き手に徹する。
2 声の高低や抑揚を一定に保つ。
3 身振りや手振りは最小限にする。
4 介護福祉職の主観を基準にする。
5 利用者の生活史を尊重する。

 

解答5

解説
1.× 聞き手に徹することは、「傾聴」と混同されやすいため注意が必要である。傾聴の技法においては、利用者が発する言葉のみならず、言葉の陰に隠された感情やメッセージなど利用者が言わんとする意味や内容を受容的、共感的に聴くことが大切となる。適度に要約、繰り返し、感情の反射や明確化の技法を用いることが必要である。
2.× コミュニケーションを図る際には、介護福祉職が感情的になったりせず、自らの感情をコントロールしなければならない。しかし、声の高低や抑揚を一定に保つばかりではー本調子になってしまい、 利用者の知ってもらいたい、わかってもらいたいという気持ちには十分応えきれない。親身になって対応してもらいたいという相手の気持ちに沿えるよう、適切に感情表出することが必必要である。
3.× 利用者自身が病気等により何らかのコミュニケーション障害を有している場合もあることから、身振りや手
振りは積極的に用いていくべきである 。
4.× 介護福祉職の主観を基準にしてしまうと、先入観や思い込みが生じてしまい、利用者が有する真のニーズがみえなくなる。
5.〇 正しい。生活史とは、一般には生まれてからのすべての生活の移り変わりを指し、個人の生活の様相をまとめたものである。アセスメントにより利用者の生活史を理解し、それらを尊重した介護サービスを提供することにより、信頼関係の構築につながっていく

 

 

 

問題4 Cさん(87 歳,女性)は,介護老人保健施設に入所している。最近,Cさんがレクリエーション活動を休むことが多くなったので,担当のD介護福祉職はCさんに話を聞いた。Cさんは,「参加したい気持ちはあるので,次回は参加します」と言いながらも,浮かない表情をしていた。
 D介護福祉職は,「自分の気持ちを我慢しなくてもいいですよ」とCさんに言った。この時のD介護福祉職の言葉かけに該当するバイステック(Biestek, F.)の7原則の内容として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 秘密保持
2 自己決定
3 非審判的態度
4 意図的な感情表出
5 個別化

 

解答4

解説

●バイステックの7原則

①個別化利用者をかけがえのない個人としてとらえる。
②意図的な感情表出利用者のプラスの感情のみならず、 マイナスの感情を含め自由に表現できるようにする。
③統制された情緒的関与援助者が自らの感情を自覚し、吟味する。
④受容あるがままの利用者を受け止める。
⑤非審判的態度利用者を一方的に批判、非難しない。
⑥自己決定利用者の自己決定を促して尊重する。
⑦秘密保持利用者の秘密を保持する。

D介護福祉職の「自分の気持ちを我慢しなくてもいいですよ」 は、意図的な感情表出の原則に基づいており、 利用者が自らの感情を自由に表現できるように促している。よって、4.「意図的な感情表出」が正しい。

 

 

 

 

社会の理解

問題5 「2016年(平成28年)国民生活基礎調査」(厚生労働省)による世帯状況に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 「夫婦と未婚の子のみの世帯」,「単独世帯」,「夫婦のみの世帯」のうち,最も多い世帯構造は「夫婦のみの世帯」である。
2 「高齢者世帯」は全世帯の30%を上回っている。
3 世帯類型別にみると,「母子世帯」の割合は,5%を上回っている。
4 65歳以上の「単独世帯」では,男性よりも女性が多い。
5 65歳以上の男性の「単独世帯」における年齢構成では,男性は75~79歳が最も多い。

 

解答4

解説
1.× 最も多い世帯構造は、「夫婦と未婚の子のみの世帯」(29.5%)である。次いで、「単独を世帯」(26.9%)、「夫婦のみの世帯」 (23.7%) の順で多い。
2.× 「高齢者世帯」は全世帯の26.6%であり、 30%を上回っていない。
3.× 世帯類型における「母子世帯」の割合は、1.4%である。 5%を上回っていない。
4.〇 正しい。65歳以上の「単独世帯」は、男性が31.9%、女性が68.1%で女性が多い
5.× 65歳以上の男性の「単独世帯」は、「65~69歳」 (35.5%)が最も多く、次いで、「70~74歳」(21.9%)、「75~79歳」 (18.4%)の順で多い。

(※図…高齢者世帯の世帯構造:厚生労働省HPより引用)

 

 

 

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